[親愛なるおじ様へ]
最近雨が多くて困りますわ。だって、冬の準備をしなくちゃならないのに、牧草が乾きにくいんですもの。
そうそう!申し上げにくいですけれど、ご報告をしなければなりませんわね。先日書き上げて応募した小説は、出版社から素晴らしい早さで戻ってきてしまいましたわ。わたくしは先ほど、ひどくみじめな気持ちでその束をゴミ箱に投げ捨てたところです。まるで愛しい我が子を捨てるような気持ちでしたわ。
わたくしが本当に作家になんてなれるのか、おじ様も不安になってしまったんじゃございません?わたくしはもっとですのよ。おじ様は、わたくしがただの羊飼いになってしまっても、かわらずわたくしを愛してくださいますかしら?
あら。長くなってしまいましたわ。またお便りいたしますわね。
PS:おじ様、人狼って聞いた事ありまして?最近近くの村でそんな噂があるそうですの。わたくしの羊たちが食べられないか心配です。